
昔のことは怖いくらい覚えているのに、さっき言われたことは、すぐ忘れちゃうのはなぜ?



ずっと前にあった些細なことを忘れられないのよね
記憶力が良いのか悪いのか、自分でもよくわからない…。そんな風に思ったことありませんか?
実は、HSPさんの記憶には“特徴”があるのです。
今回は、HSPさんの記憶力の長所と短所、そして上手に付き合う方法についてお話します。
・HSPさんは、記憶力が良いの?悪いの?どっち?
・HSPさんが記憶力が良いと言われる理由
・HSPさんが記憶力が悪いと感じる理由
・HSPさんの記憶との上手な付き合い方



きっと共感できることが多いはずですよ
1.HSPさんは、記憶力が良い?悪い?
HSPさんの記憶力は「良い」とも「悪い」とも言えます。
なぜなら、HSPさんは感情とセットになった記憶を長く持っている一方で、多過ぎる情報に圧倒されると忘れやすくなるという特徴があるからです。
つまり、HSPさんの記憶力は「感情に左右されやすい記憶力」なのです。
結論:HSPさんの記憶力は「感情に左右されやすい」特徴があり「良い」とも「悪い」とも言える
2.HSPさんの記憶力が「良い」と言われる理由


はじめに、HSPさんの記憶力が「良い」と言われる理由をみていきましょう。
- 強い感情と結びついた記憶を持ちやすい
- 一部ではなく全体の流れで理解している
- 相手の言葉や行動をよく覚えている
- 過去の経験をよく振り返る習慣がある
- 五感の記憶が鋭い



詳しく説明します!
1.強い感情と結びついた記憶を持ちやすい
HSPさんは、特に感情とセットになっている出来事を記憶しやすい傾向があります。
感受性が豊かで、経験や出来事に対して、深く感情移入しやすいからです。
例えば
- 幼い頃に聴いていた曲を耳にすると、その頃の景色や感情がフラッシュバックする
- ちょっとした傷つく言葉を何年経っても忘れられない
楽しかった記憶だけなく、ネガティブな感情とセットで「嫌な記憶」も残りやすい面もあります。
2.一部ではなく全体の流れで理解している
結論や一部だけでなく、そこに至るまでの全体の流れを理解して覚えていることが多いです。
HSPさんは、物事を深く考える気質があるためです。
例えば…
- 仕事内容は、全体の流れや作業目的を理解できると、スムーズに頭に入る
- テストの答えが分からない時に、その授業で先生が話していた世間話から答えを思い出すことがある
ひとつの出来事だけでなく、状況の前後も記憶することが得意なのです。
3.相手の言葉や行動をよく覚えている
HSPさんは相手の話や表情、しぐさまで細かく覚えています。
観察力が鋭く、共感力も高いためです。
例えば…
- 相手は覚えていないような、ちょっとした親切を覚えている
- かなり前の何気ない会話の中で聞いた「友だちが好きなもの」を覚えている
- 傷つく言葉を言われた時の相手の表情や口調まで一緒に覚えている
これは、人間関係の中で役立ちますが、逆に嫌なことや否定的な言葉も忘れにくい傾向があります。
4.過去の経験をよく振り返る習慣がある
HSPさんは「あの時こうすればよかった」「あの場面での自分の行動は正解だったのか」などと振り返ることが多いです。
こうして何度も思い出すことで記憶が強化され、忘れにくくなります。
5.五感の記憶が鋭い
HSPさんは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚といった五感の情報を深く処理します。
こんなことがありがち…
- 初めて訪れた場所の雰囲気や匂いをはっきり覚えている
- 音楽を聴くと、そのときの感情が一気に湧き上がる
- この景色どこかで見たことある…と思うことがある



匂いも一緒に覚えている記憶が多いです
HSPさんの「記憶力が良い」:深く処理し、感情と結びつけ、細かく観察する気質が影響している
3.HSPさんの記憶力が「悪い」と感じる理由


次に、HSPさんの記憶力が「悪い」と感じる理由についてみていきましょう。
- 情報過多で覚えきれない
- マルチタスクが苦手で注意が分散しやすい
- 感情の影響を受けやすい
- 過去の出来事を振り返りすぎる
- 興味のないことは覚えにくい
1.情報過多で覚えきれない
一度に多くの情報を受け取ると、脳が処理しきれずに「必要な情報」と「不要な情報」をうまく整理できないことがあります。
その結果、覚えたいことが埋もれてしまい「記憶できない」と感じることがあります。



一つのことを覚えている間に、別のことを忘れる理由はこれです
2.マルチタスクが苦手で注意が分散しやすい
HSPさんは、一つのことに集中すると深く考えられる反面、同時に複数のことをすると処理能力が落ちる傾向があります。
例えば…
- 話を聞きながらメモを取る
- 作業しながら誰かと会話する
といった状況では、どちらの情報も中途半端に処理され、記憶に残りにくくなります。


3.感情の影響を受けやすい
HSPさんは、感情と記憶が強く結びつく傾向があります。
そのため、不安やプレッシャーに弱いHSPさんは、緊張状態では記憶力が落ちることがあります。
例えば…
- 緊張しすぎていて、何を言われたか覚えていない
- 面接や試験で頭が真っ白になる
- 焦っている時に言われたことは、途中が抜けてしまう
- 検査結果を聞く時、不安が強すぎて、話の内容が頭に入らない
4.過去の出来事を振り返りすぎる
過去を振り返ることが多いことは、記憶を忘れにくくしてくれます。
しかし、逆に過去のことで頭がいっぱいになってしまうと、新しい情報を記憶する余裕がなくなることもあります。



良いんだか、悪いんだか…
5.興味のないことは覚えにくい
HSPさんは、自分が強く興味を持ったことには集中しやすいですが、興味がないことには注意が向きにくい傾向があります。
そのため「仕事は、なかなか覚えられないけど、人のちょっとした言葉はすぐ記憶する」なんてことも。
HSPさんの「記憶力が悪い」:情報の多さ・感情の影響・集中の仕方などが原因となっていることが多い
4.記憶力が「良い」「悪い」と感じた体験談
強度のHSP体質である筆者も、記憶力が「良い」「悪い」と感じる場面を多く経験してきたうちの一人です。
その中から2つ、体験談をご紹介しますね。
保育園の頃の記憶がある
年齢がバレバレですが…保育園時代、つまり40年ほど前の記憶があります。
- お昼寝中に友達とふざけていて、0歳児の部屋に連れて行かれて怒られたこと
- 延長保育で遊んでいたタイマー式のおもちゃの音と部屋の匂い
- 母と手をつないで歩いて帰りながら交わした会話
「優しかった先生に怒られたこと」や「母のお迎えが遅く、毎日淋しい思いをして待っていたこと」。
逆に「大好きな母が迎えに来てくれて、その日にあったことを話をしながら帰ったこと」。
楽しいことも辛いことなど、感情とセットになっていることで、その前後の出来事もはっきり覚えています。
暗記力が勝負のテストは得意!
記憶力が良いので、暗記力が勝負になる学習は得意でした。
- 一夜漬けが得意
- 漢字のテストは、毎回100点
- 歴史の年号は、語呂合わせで覚えるのが得意
漢字は、へんやつくり、成り立ちなどもセットで覚えるのが楽しくて、テストでは毎回100点。
車のナンバープレートを瞬時に語呂合わせで楽しむのと同じ感覚で、歴史の年号も語呂合わせで覚えるのが得意でした。



数学や英語は、大の苦手…
夫に言われたことを覚えられない
反対に、筆者にとって記憶するのが苦手なものが「夫に関すること」。
- 「飲み会が入ったから」と、教えてもらった日程
- 「今度、買い物行く時に買っておいて」と、頼まれた商品
- 今月の仕事のシフト
自分や子どもの予定は、すぐにカレンダーに書いたり、スケジュールアプリに入れ込んだりするのですが、夫に言われたことは、なぜだかすぐに忘れます。
「前に言ったよ」と何度言われてきたことか…。
つまりは、夫の予定には、興味がないということなんだと思います…。
5.HSPさんが記憶と上手に付き合うヒント


感情に左右されやすく“良い面”と“苦手な面”があるHSPさんの記憶力。
そんなHSPさんの記憶の特性を理解したうえで、日々の生活で活かすコツを紹介します。
- メモを取る習慣をつける
- イメージしたことを図に書き出す
- 全体的な流れや目的を知る
- 休息をしっかりとる
- 「忘れる」ことを許す
1.メモを取る習慣をつける
情報が多すぎると混乱しやすいため、メモを取ることを習慣づけてみましょう。
例えば…
- スマホのメモアプリにすぐ記録する
- 付箋やノートを活用して「視覚化」する
記録したり、視覚化したりすることで、記憶を整理しやすくなります。



その時は理解できなくても、記録が残っていることで、あとでゆっくり落ち着いて振り返りができます
2.イメージしたことを図に書き出す
HSPさんは視覚的な情報処理が得意な人が多いです。
頭の中でイメージした内容を絵や図にして書き出すことで、理解と記憶が深まりやすくなります。
例えば…
- 仕事で覚える機械や道具を絵と説明でメモしておく
- タスクの流れをフローチャートで描く
言葉だけで覚えるよりも、ビジュアルとして記憶に残りやすくなるのでおすすめです。
3.全体的な流れや目的を知る
HSPさんは細かい情報に目がいきがちですが「これは何のためにやっているのか?」という全体像を把握しておくと、情報の整理がしやすくなります。
例えば…
- 「この会議の目的は何か?」を意識して、議事録を取ると、必要な情報だけを優先的に記憶しやすい
- 今やっている仕事は「最終的には、どのような形になるのか?」を考えていくと、流れが頭に入りやすい
全体像がつかめると、細部の記憶もつながりやすくなるので、忘れにくくなるというメリットもあります。



逆に全体像がつかめないと、何を言われても、なかなか理解しにくいんですよね…
4.休息をしっかりとる
脳が疲れていると記憶力が低下してしまい、新しい情報も頭に入ってこないし、逆に情報過多だとクタクタに…。
そこで…
- こまめに休憩を入れる
- 良質な睡眠をとる
- リラックスする時間を確保する
HSPさんは、特に休息を意識すると、記憶の負担を減らせます。
5.「忘れる」ことを許す
HSPさんは「覚えていなければならない」と思いがちですが、実は「忘れること」も脳にとってはとても大切な働きです。
記憶を整理する過程で、不必要な情報を手放すことは、脳のスペースを空けるようなもの。いつまでもすべてを覚えておく必要はないのです。
例えば…
「あの約束を忘れてしまった…」と自分を責める
ではなく…
「それだけ他のことにエネルギーを使っていたんだ」と受け止める
そうすることで、自己否定のループから抜け出すことができます。
「忘れてもいい」と自分に優しく許可を出してあげることが、心の余白を作り、HSPさんの生きやすさにもつながっていくのです。
まとめ
HSPさんの記憶力は「良い」か「悪い」かではなく「感情に左右されやすい」のが特徴です。
そんなHSPさんの記憶と上手に付き合うヒントは、次の5つです。
- メモを取る習慣をつける
- イメージしたことを図に書き出す
- 全体的な流れや目的を知る
- 休息をしっかりとる
- 「忘れる」ことを許す
- 過去の出来事をよく覚えているのは、あなたの感受性の豊かさの証。
- 一方で、忘れっぽいと感じるのは、情報量が多すぎるから。
大切なのは、HSPさんの記憶の特性を理解し、自分に合った対処法を見つけること。
決して、記憶力が「良い」「悪い」で、自分を責めないでくださいね。
忘れることを怖がらず、自分の記憶力と上手に付き合っていきましょう。